『図書館の魔女』の勉強会 第一巻 1やまざとでのさいごのいちにち⑪

P16 L7   だがこの炭は窯を預かる交代の炭焼きに託していく。

   L13  ここ山の里では、古から山賤(やまがつ)として知られる民が、ながらく鉄と石と炎をめぐる生業(なりわい)を営(いとな)んでいる。

 

キリヒトは単独で炭焼きをしているのではないようです。前項でも触れたように「三本目」とありますから、窯も少なくとも3つあります。

 

   L15  土と石と鉄と炎から、人の耕作に、煮炊きに、あるいは軍事に供する、道具や武具を作り出すこの里の稼業は、どうしても山に張り付いて営まねばならないことだった。

 

 どうやらキリヒトが暮らしていたこの「山」は、「鍛冶(かじ)」の村であったようです。赤く熱した鉄(その段階では「錬鉄」というのだそうです)を、打ち叩いて「鍛(きた)える」。私は長いこと、叩いて伸ばして成型しているだけなのだと思っていたのですが、叩いて火花を散らすことによって不純物が取り除かれるのですって⁈あの火花にそんな意味があったなんて知りませんでした。よく、刀鍛冶の映像で、ふいごの風に炎を上げる赤い炭の中に刀を差し込んで熱するシーン!ただ、熱くしているだけじゃなくて、「炭」に包むことによって炭素を加えているんだなんて!知りませんでした。

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それらがみんな、「経験」によって得られたものであることに深い敬意を抱きます。どれけの年月が積み重ねられたものなんだろうと。