『図書館の魔女』勉強会 第一巻 1やまざとでのさいごのいちにち⑤−2

P12 L10 「紙」つづき。

 ウィキペディアの「紙」の項を見るだけでも嫌になってしまうくらい、紙に関しての書物もどれも長大で、完読できずにいます。その中でオススメを1冊。

 『紙の歴史ー文明の礎の二千年』([知の再発見]双書129 著:ピエール−マルク=ドゥ・ビアシ 監修:丸尾俊雄(まるおとしお) 訳:山田美明(やまだよしあき))

 「絵で読む世界文化史」と銘打ってある通り、図版が豊富で見ているだけで楽しくなってくる本です。まず、巻頭の「日本語監修者序文」が的確にして端的。私は「紙を漉く」というと、まず手すき和紙を思い浮かべてしまいますが、それが世界共通のものではない、ということから新鮮でした。

だって、活版印刷が開発され、機械抄きが普及した19世紀になってもヨーロッパの紙の主原料は「古布」だったなんて!

 (マ:そんなことも知らないのか!)

 集められた古布を手作業で選別している女性たちの写真があります。出典によれば19世紀末だそうです。紙の需要は増大しているけれども古布の供給は増えず、古布代金が紙価を押し上げる。また、その頃人々の服装が「亜麻」から製紙には不向きな「綿」に変わり、いよいよ「くず」布は不足する。そんな中、木材から「セルロース」を取りだす技術が開発され、紙は「希少なもの」から「大量生産されるもの」へと変わる。

 面白いです。

先生は「漉いた薄手のしなやかな紙」を使っています。

「漉(す)く」と「抄(す)く」。この使用については、「紙への道」というサイトのFAQできっぱり説明されてます。

「手漉き」と「機械抄き」のように、手作りの場合は「漉」、機械による時は「抄」が一般的に使われる。

 のだそうです。このサイトはウィキの外部サイトにリンクがはられています。王子製紙に長くお勤めだった方か作られているようで、「製紙」について大変詳しいサイトです。