『図書館の魔女』の勉強会 第一巻 2しゅったつのときはちかづく⑤-1

P31L4 キリヒトはすでに昨晩から用意してあった背嚢(はいのう)に、着替えと僅(わず)かな生活の道具と・・・

「背嚢(はいのう)」です。嚢(のう)は「袋(ふくろ)」、つまり「背負う袋」ということです。そうか、リュックサックだ!

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何か、ちがう、気がする。

背嚢【はいのう】軍人・学生などが物品を入れて背負う皮やズックでつ

        くった方形のカバン。    『日本国語大辞典』 

 いや、ズックって何?ってなりますね。数十年前は子供たちが履いてる靴はみんな「ズック」と呼んでいたような記憶があるのですが、今はほとんど目にしない単語です。ちなみに私が使用している『日本国語大辞典』は、昭和63年発行の縮刷版第一版です。

ズック(オランダ doek)太い亜麻糸(あまいと)、または木綿糸を用いた  

        厚地の平織物。帆・靴・担架・天幕・雨覆いなどに用い

        られる。        『日本国語大辞典

つまり「スニーカー」とか「キャンバス地」を考え考えれば、いいのかと。ところで「亜麻糸(あまいと)」が気になってしまいました。本題からどんどん離れていくけど、知っているようで知らないことを確かめていくのが「勉強会」なので。

亜麻【あま】(名)アマ科の一年草中央アジア・アラビア原産で、ヨー

      ロッパでは紀元前から栽培されていた。日本への渡来は元禄

      時代で亜麻仁油(あまにあぶら)をとるために栽培された。

      繊維用の栽培は明治に入って、北海道で開拓使によって成功

      したのが最初である。    『日本国語大辞典

Wikipedia ですと、

アマ(亜麻、学名:Linum usitatissimum)は、アマ科一年草。ヌメゴマ(滑胡麻)、一年亜麻、アカゴマなどの異称もある。その栽培の歴史は古い(リネン#歴史も参照)。日本では江戸時代に種を薬として使うために限られた範囲で栽培され、明治から昭和初期にかけて繊維用に北海道で広く生産された。

の繊維は、衣類などリネン製品となる。種子からは亜麻仁油(あまにゆ、リンシードオイル、フラックスシードオイル)が採れ、これは食用や塗料油彩に用いられる。

 今はやりの「アマニ油」って、これのことなんですね。でも、それより驚いたのは、Wikipediaの「麻」の項目では、

日本で麻の名称で流通している繊維のほとんどは、亜麻から作られるリネンである。また、日本工業規格 (JIS) にて麻の名称で流通させてよい繊維は、亜麻と苧麻のみであり、本来の麻(大麻)は含まれていない。家庭用品品質表示法によると、麻と呼ばれる繊維は苧麻と亜麻(リネン)の2種類を指す。これらは光沢と通気性があり、肌触りの良さから夏物の衣料品や寝装具などに用いられることが多い。繊維的には羊毛や綿花より硬いので、硬質繊維といわれる。なお、亜麻色とは、黄みを帯びた薄い茶色のことで亜麻からきた色名である。

とあり、現在私たちが目にする「麻」製品は「亜麻」から作られているようです。『亜麻色の髪の乙女』は作詞:橋本淳 さん、作曲・編曲:すぎやまこういちさんの名曲です。ちなみに、

リネン: linen)または亜麻布(あまぬの)とは、亜麻繊維を原料とした織物の総称。フランス語ではリンネル (linière) 。広義で麻繊維に含まれ、麻特有のカラッとした風合いがある。中近東では肌着として使われてきており、エジプトのミイラを巻くのにも使われた。

またこれから転じて、ホテル病院などにおいて、シーツ、枕カバー、タオルテーブルクロスなどの布製品を総称してリネンという。実際には現代では必ずしもシーツ類にリネン製品が使われているわけではない。これらの布製品を洗濯したあと保管するための部屋はリネン室という。 

                       『Wikipedia

綿のクロス類を「リネン」っていうのだと思っていたので、ちょっと慌てたのですが、あながち誤りではなさそうでよかった。さて、ずいぶん遠ざかってしまいましたが、問題はキリヒトの「背嚢」だったのです。