『図書館の魔女』勉強会 第一巻 1やまざとでのさいごのいちにち⑨

P13 L13 桶の縁(ふち)から中心に向かって収斂(しゅうれん)していった。

 「収斂」・・・(「斂(れん)」は縮(ちぢ)む意。)縮まること。

                     (『新明解国語辞典』(三省堂))

    L14 書きあがった親書(しんしょ)をすでに封筒に入れ

 「親書」・・・自筆の手紙。狭義では天皇や元首などの手紙のこと。(上記新明解)

前ページで老人は「「羽のすり切れた鵞ペンをふるわせながら」「几帳面な文字を刻んでいた」とありますから、「自筆の手紙」に違いなく「親書」にあたります。が、「手紙」とせずに「親書」となっているところが引っかかりますね。誰に当てた手紙なのでしょう?直接会う人に手紙を出す必要はありませんよね。とすると・・・?最後まで読んでも答えはありませんが、もしかすると?という想像の手掛かりは残ります。新作での展開が楽しみなところです。

 

ちなみに・・・。

似た言葉に「親展(しんてん)」があります。私たちでも時折、封筒に押された赤い文字を目にすることがあります。

 「親展」・・・名あて人自身が手紙を開封することを求める言葉。(上記新明解)

つまり、この印が押されている封筒は、宛名の人以外が開封してはいけない、という意味です。宛名人のプライバシーに関わる書面、請求書とか診断書とかを送る際にこの印を押すわけです。

 

「親書」がらみでもう一つ、「信書(しんしょ)」という言葉もあります。辞書だと「個人の手紙」と出ています。普段、私たちの生活の中ではあまり見かけないのですが、それでもどこかで目にしている可能性はあります。私は「宅配便」などを送る時、「信書」は送れない、という注意書きを目にしたことがあります。荷物は送れるけれど、「手紙」は送れないのですよね。私には「???」ですが、これは「郵便法及び信書便法」という法律でちゃんと規定があるのだそうです。これについてはいろいろ議論があるようです。興味のある方は、関係のサイトなどを調べて見てください。